FRAGMENT 01
「元気でね」と打った。 送らずに、画面を伏せた。 元気でいてほしい。 それは、ほんとうだった。
送信しなかった言葉

01 WORLD
謝りたかった。
引き止めたかった。
どちらも言えないまま、夜になった。
紙の鯨は、
水を吸いながら泳いでいる。
帰る場所を知っているのかは、
わからない。

降りる駅を、
ひとつ過ぎた。
02 MUSIC

TRACK 0123:48 / 夜の入口
降りる駅を、ひとつ過ぎた
沈んだ紺
時刻は、このアルバムの物語を表しています。
アルバムをSunoで聴く03 COLORS
人の声を忘れても、
あの部屋の明かりを覚えている。
言葉にすれば終わるから、 ふたりとも黙っていた。
04 LETTER
この夜の、余白に。
FRAGMENT 01
「元気でね」と打った。 送らずに、画面を伏せた。 元気でいてほしい。 それは、ほんとうだった。
送信しなかった言葉
FRAGMENT 02
窓に映った顔に、 泣いた跡はなかった。 いつもの駅で降りる人を、 座ったまま見送った。
最終電車
FRAGMENT 03
ポケットの紙は、 雨を吸ってやわらかくなっていた。 広げずに、 もう一度、しまった。
ポケットの中

05 PROFILE
感情が終わったあとに
残るものを、音にする。
言えなかったことは、
消えたわけじゃない。
雨音にまぎれたり、
電車の窓に映ったりして、
日常の中に残っている。
低く、近い声で。
紙鯨は、その続きを歌う。
05:06 / 痛くない日
まだ、痛い?
ううん。今日は、痛くない。
「痛くない日」を聴く